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オリンピックとオリーブ

 19世紀初頭、フランスの考古学者の手によって、ギリシャの町オリンピアにて、ある遺跡が発掘されました。それをきっかけに、近代オリンピックの栄えある第一回目は1896年の年に、ギリシャの都市アテネで開催されました。

 しかし、オリンピックの歴史はそれよりもはるかに昔、古代ギリシャ時代にまで遡ります。

 今から約3000年も昔(紀元前8世紀頃)、古代ギリシャ時代がその発祥とされ、ギリシャ神話に登場する大神ゼウスの誉れをたたえるべく、ヘラクレスが持ち帰ったのがオリーブだといわれています。

 古代の人々は神々への奉納競技という形で、昔から長きに渡り競技を開催してきました。そして、勝者には最大の名誉という形でオリーブの冠を授けられ、同時にオリーブオイルを与えられる習わしとなりました。

因みに古代ギリシャでは、オリーブオイルは「黄金の液体」と呼ばれ、他の油脂とは明らかに違った地位を得ており、最上級、上級、最下級という3つにランク分けされていました。

しかし、神聖ローマ帝国の繁栄に伴い、その歴史に幕を閉じることになります。

そして、数千年の時を超えて、冒頭の遺跡発掘を皮切りに、再びスポーツの祭典オリンピックとして現代に蘇ることとなります。

 今でも、ギリシャのオリンピアにてオリンピックの聖火が灯され、それが多くの国と人々を繋ぎ開催地へと運ばれていきます。

 2004年のアテネオリンピックでは、勝者に贈られたオリーブの冠は、ギリシャのクレタ島に立つ樹齢5000年の世界最古のオリーブといわれ、その枝から作られていました。

 その木は、オリンピック発祥の古代ギリシャ時代から現代までの歴史を繋ぐ、まるで聖火のような存在なのかもしれません。

​                おしまい

​※日本オリーブオイルソムリエ協会発行資料を一部抜粋

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